今回は高収入を目指した転職に関する情報、ノウハウを現役の人事部スタッフの目線でご紹介します。
転職で年収をアップさせる—具体的にいくら上げられる?
仕事を始めてしばらくすると、生活の安定や将来設計のために年収アップを考える時期がやってきます。特に、転職活動のコアタイミングとなる20代から30代において、より良い待遇を求めるのは当然の流れです。一方で、単に数字の上昇を追い求めるのではなく、具体的な方法や注意点を理解することが重要です。
国税庁の調査によると、20代前半の平均年収は約267万円、20代後半では約370万円です。しかし、この数値は業種や学歴などの要素によって大きく異なることを理解する必要があります。年収の上昇は、自身のスキルや経験年数に影響を受けます。自分の能力に自信があり、より良い待遇の企業に目を向けるのは理にかなっています。
一方で、実際に転職による年収アップを考えると、現在の年収の5%~10%程度の上昇が一般的であると考えられます。業界やスキルによっては、より大きな跳躍も可能でしょう。ただ、年収アップを目指すならば、初年度での大幅な上昇よりも、長期的な視点で着実に成長できる企業を選ぶことが肝心です。
年収アップ・高収入のための転職戦略
では具体的に、年収アップを目指す場合に何をすればよいのでしょうか。主な方法は2つです。1つは、「給与水準の高い企業への転職」。もう1つは、「自身のスキルや資格を生かせる企業への転職」です。
給与水準が高い企業への転職は、大手企業や業績の良い企業を狙う戦略です。ただ、ここで重要なのは、条件が良いだけに競争が激しいという現実です。
一方、自身のスキルや資格を生かせる企業への転職は、自己の持つ能力を十分にアピールし、その企業での即戦力となることを訴える戦略です。年収は業界知識や資格、経験年数、実績によって大きく影響されるため、自身の力を最大限に発揮できる場を選ぶことが重要です。
「年収アップ=高収入」を目的に転職する成功法
年収アップを目指す場合、より重要なのは長期的な視点を持つことです。年収の高さだけに目を奪われてしまうと、本当に自分に合った企業を見失ってしまう可能性があります。
年収アップを目指す転職活動には、企業の福利厚生や、待遇の透明性、企業の安定性など、様々な要素を考慮に入れる必要があります。年収だけを追い求めると、自分に合わない職場環境や不適切な待遇、業務内容に直面するリスクもあります。転職サービスを利用し、企業の詳細な情報を得ることで、確固たる一歩を踏み出しましょう。
年収アップを目指した転職をする際のチェックポイント
転職を通じて年収を増やすことを目指すのは、全く正当な動機です。自分の労働に対する対価として、現在の収入を増やしたいと望むならば、自然に年収が転職先選びの一要素になるでしょう。ただし、年収だけに目を向けてしまうと見落とすポイントやリスクも存在します。それらを念頭に置いて進めることが大切です。
まず考慮するべきは、企業の福利厚生です。求人情報では年収と並んで重要な項目でしょう。今の職場と比較してみることも必要です。年収が現状より高いと思える会社でも、福利厚生が不十分だと実質的な収入が減るリスクがあります。また、年収だけを見ると現状より低く見える企業でも、住宅補助などの福利厚生を活用できるなら、それを事実上の年収増と考えることも可能です。
次に注意するべきは、基本給以外に固定残業代などが支給額に含まれているかどうかです。企業の中には予想される残業時間分の残業代を前もって給料として支払う場合があります。この場合、基本給〇円(内固定残業代〇円)といった表記がされることがありますが、これが何時間分の残業代かをチェックすることが重要です。予定の残業時間を超えた場合、企業側はその分を追加して支払う義務があります。しかし、固定残業の時間が明示されず金額だけが提示されている場合、長時間働いても超過分が支払われないといった事態に陥る可能性があるため、警戒が必要です。
さらに、歩合給が給与に含まれている場合も注意が必要です。年齢に応じて基本給が増える企業なら、将来的にも昇給の見通しが立つでしょう。しかし、社歴が長くても基本給があまり変わらない企業が高額な歩合給を出している場合、その歩合給がなくなった時に本当に年収が増えるのか、しっかり考察する必要があります。
また、年収が高いだけで人を集めている企業にも警戒が必要です。年収だけにつられると、業務内容や労働時間に問題があったり、職場環境が悪かったりすることから高離職率となり、新しい人材を集めるために年収を高く設定している企業にぶつかる可能性もあります。
さらに、景気に左右されやすい企業では、突如として仕事が減ることがあったり、全体的に見ると年収が下がることもあります。基本給に対してボーナスが異常に高い企業や残業代が多い企業などは、特に慎重な選択が求められます。
金額だけを見て焦って転職活動を進めると、最終的に給料が下がったり、仕事が厳しくて辞めざるを得なくなる可能性があります。その結果、仕事を長く続けられない人間と見なされ、後の転職活動に影響を与えたり、求職ができても重要なポジションが任せられないリスクも発生します。企業の口コミを調べるなど、求人情報だけでなく企業の内実を理解することが求められます。特に、年収だけを重視した転職活動は失敗を招きやすいので、そのリスクに対する理解も必要です。
要約
年収アップを目指す転職は、労働対価として理解され、一般的には現年収の5%~10%程度の上昇が見込まれます。しかし、ただし年収だけに注目すると見落とす要素もあります。企業の福利厚生、固定残業代の有無、歩合給の影響、企業の安定性なども考慮し、長期的視点で企業選びをすることが重要です。また、転職活動は自己のスキルや資格を活用し、給与水準の高い企業を目指すことも有効です。
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