グローバル社会の成長に伴い、日本の企業界でも英語力の価値は日増しに高まっています。求められる英語力は、仕事の性質によりますので、自身のスキルレベルと可能なキャリアオプションを照らし合わせることが重要となります。
初級から上級まで、英語レベルごとに推奨される職業をお伝えします。自身の英語力を認識し、その上で適切なキャリアを探す一助としてご利用ください。
初級レベル【日常会話可能】
初級レベルの定義は、日常的な英語会話が可能であることです。具体的には、日常生活に困ることなく、短いメールや文章を英語で作成できるレベルです。ただし、字幕なしの洋画は理解するのが困難で、難解な単語については辞書を引くことも多いでしょう。
初級レベルの英語力を持つ人々にとって最適な職業は以下の6つです。
ホテルスタッフ
外資系のホテルや、海外からの旅行者を受け入れる日本のホテルでは、英語力を持つスタッフを募集しています。TOEICスコアを英語力の基準とする場合もあり、特にホテルスタッフであれば、TOEIC600点以上が目安とされています。
テーマパークスタッフ
テーマパークは、海外からの訪問者が多い人気スポットです。テーマパークのスタッフは、案内業務などで外国人客と接触する機会があり、日常英会話が可能なレベルの英語力が高く評価されます。新型コロナウイルスの影響で外国人観光客が減少しましたが、一旦状況が改善すれば、英語を話せるスタッフが再び求められるでしょう。
旅行会社スタッフ
旅行会社では、主に海外旅行の予約や手配に関わる業務において、英語力を持つスタッフが求められます。具体的な職務内容には、パッケージツアーの企画・販売や、交通機関や宿泊施設の予約・手配などがあります。英語が使えると、海外のホテルへの問い合わせ対応や、外国人観光客へのサービスなど、業務範囲が広がり、キャリア開発に役立ちます。
通関士
通関士は、輸出入業者の代理として通関手続きを行い、税関への申請を行う専門職です。通関士になるには、通関士試験という国家資格に合格する必要があります。
輸出入に関する書類は大抵英語で作成されており、通関業務には英語力が求められます。しかし、書類は形式が定まっており、定型的な内容が多いため、基本的な英語力と貿易に関連する基本的な単語を理解していれば問題ありません。
中級レベル【ビジネス会話】
中級レベルの英語能力は、あなたがビジネス会話を遂行できる程度を示します。具体的には、海外での長期滞在や留学の経験がある人、ビジネス文書を辞書なしで理解する人、字幕がなくても洋画の大体の内容を把握する人がこれに該当します。
このような中級レベルの英語力を持つ人々に対して、次の仕事を提案します。
英語を教えるのが好きなら「英会話スクール」
英会話スクールのスタッフは、発音の正確さや教えるスキルが強く求められる英語を教える仕事です。さらに、多くの英会話スクールではネイティブの教師が在籍しており、業務中の会話やミーティングは英語で行われることが多いです。生徒や同僚と円滑にコミュニケーションをとるために、中級レベルの英語力が必須となるでしょう。
世界を飛び回りたいなら「キャビンアテンダント」
キャビンアテンダントの主な役割は、機内での旅客の安全と快適さを確保することです。アナウンスの提供、飲食物のサービス、機内販売を行う機内サービス業務、そして離着陸前の安全確認などの保安業務を担当します。英語力の必要性は航空会社や路線によりますが、いずれにせよ外国人旅行者とのコミュニケーションが必要となります。また、同僚のキャビンアテンダントが外国人である可能性もあるため、彼らとの英語でのコミュニケーションも必要となるでしょう。
プロフェッショナルな「航空交通管制官」
航空管制官はレーダーや無線通信を使って、飛行機の離着陸や航路を指示する役職です。日本で働く場合でも会話は全て英語で行うため、円滑なコミュニケーションをとるうえで英語力は必須です。一般的な英会話力だけでなく、専門用語も習得し、緊急事態が発生した場合にも英語で対応できるスキルが求められます。
上級レベル【ネイティブと同等のバイリンガル能力】
高度なバイリンガル能力とは、言葉の細かな違いまでつかみ、長文の読み書きが一瞬ででき、字幕なしでも洋画がスルッと理解できるようなものです。このエリートレベルの英語力があると、以下のような仕事につくことができます。
生の緊張感を味わえる「通訳」業
通訳の世界には、「ビジネス通訳」で海外の取引相手との会話をスムーズに繋げるもの、専門的な話題を扱う「会議通訳」、リアルタイムでニュースや国際放送を訳す「放送通訳」などがあります。どの職種も、優れた英語力だけでなく、特定の専門知識も必要不可欠となるのです。
文字を通じて人と人をつなぐ「翻訳」家
翻訳業は、創作物や雑誌、歌詞を訳す「文芸翻訳」、ビジネス書や契約書、学術書を訳す「実務翻訳」、そして映像作品を訳す「映像翻訳」の三つに大別されます。質の高い翻訳を目指す場合、自然な表現に変換する能力が求められます。
グローバルなビジネスをしたいなら「商社」
商社の役割は、商品を買いたい人と売りたい人を繋げて取引を成立させることです。企業や業務によりますが、海外との取引がある場合、一定のTOEICスコアが採用基準となることが多いです。また、海外にオフィスを持つ商社であれば、英語力を活かして海外で働く機会もあります。
日本という枠をこえる「外資系企業」
外資系企業では、基本的に会議やメールなどのコミュニケーションは英語で行われます。さまざまな国の上司や同僚とともに仕事を進めるため、ビジネス英語力だけでなく、異文化を理解し受け入れる態度も重要です。ただし、日本人が多い外資系企業もありますので、そのような職場では英語をほとんど使わないかもしれません。
海外が活躍の場「海外営業」
海外営業の仕事は、海外市場での販路拡大や販売促進です。仕事内容は多岐に渡り、新規開拓や既存顧客のフォローアップ、市場調査、営業戦略の策定などがあります。社内への連絡や営業先との商談、プレゼンなども全て英語で行われますので、リーディングとリスニングの両方のスキルを持つ人材が求められます。
英語スキルを活かしたキャリアのチェックポイント
「英語が使える職業」は多様です。自分にぴったりの仕事を選ぶためには、自身の実力をきちんと把握し、キャリアプランを立てることが重要です。
●キャリアビジョンの明確化：仕事を選ぶ際に、「英語が使える」だけではなく、仕事の内容や付随する業務、将来性を見極め、自身が目指す方向を明確にすることが大切です。
●必要な資格の取得：英語力をアピールするには、TOEICのスコアが重要です。また、特定の職業に就くためには、その職業に関連する資格があるかもしれませんので、事前に調べておくとよいでしょう。
●経験を積む：英語を使った仕事を始める際には、まずは自身のレベルに合った仕事から始め、徐々にスキルを上げていくことが一つの方法です。未経験から始められる仕事で実績を積むことが、キャリアアップにとって重要なポイントとなります。
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