どうも、職務経歴書の書き方の専門家 人事部マネージャー宇佐美です。
風俗業界への就職・転職する際にかならず書くことになる「職務経歴書」ですが、苦手なひとが多いです。
ネット上には職務経歴書の書き方をアドバイスする情報がたくさんありますが、その多くは転職求人サイトのライターさんが書いていたり、転職系のアフィリエイトサイトの記事だったりで、率直に言って「素人」が書いたモノです。
「素人」のアドバイスなんて、転職を真剣に考える皆さんからすれば「そんなのわかってるよ!困ってるんだからもっと役に立つこと書いてくれよ!」と感じるはずです。
その点、私は多くの転職を繰り返すなかで100枚以上の職務経歴書を書き、書類選考で落ちる経験も、通過する経験もしてきました。
そして、一部上場企業での面接官をつとめ、人材派遣会社、ライブチャット、風俗での面接官経験から人事責任者まで経験し2,000人以上の求職者の方の職務経歴書と真剣に向き合ってきました。
いわば「職務経歴書のプロ」です。
今回は職務経歴書の簡単かつ最強な書き方を宇佐美プロが全力でお話します!
Step1.職務経歴書の本質
最初にいちばん大事な話をします。
職務経歴書の本質は「映画の予告編」です。
CMや映画館で観る映画の良いところだけをギュギュッと集めて、観るひとの気持ちをググッと引き寄せるアレです。
映画が120分前後なのに対し、予告編はわずか30秒。
割合でいえばたったの0.4%。
この0.4%に映画の魅力を観る人の心を揺さぶるように極限まで切り捨てることで作っているんです。(映画本編より面白い予告編もありますよね。)
これと同じことを職務経歴書でもやればいいんです。
すべてを書こうなんて考えなくていいんです。
あなたの社会人人生の0.4%だけでいいんです。
強大な壁にぶつかった出来事、仲間と力をあわせた戦い、大きな挫折、失敗から立ち上がる姿、などの読む人の感情を揺さぶる場面だけでいいんです。
あなたの「人生」のハイライトシーンだけをギュギュッと集めて、面接官の心をググッと引き寄せるのが「職務経歴書」の本質です。
Step2.構成
一般的な職務経歴書の構成は
- 職務要約
- 職務経歴
- 活かせる経験・知識・技術
- 自己PR
ーです。
ただ、法律で「こういう構成にしなさい」と決まっているわけではないので変えてもOKです。
ご自身がもっとも輝くように構成の順番を変えたり、削ったり、追加していいんです。
Step3.「職務要約」の書き方
職務要約は、昔の職務経歴書にはあまり見られなかった項目です。
職務要約の存在意義は「会社が書類選考にかける時間を短くするため」と「話を簡潔にまとめる能力を見極めるため」です。
前者は求職者の皆さんにとっては関係ない事情ですし、会社側にとっても優秀な人材を見落とすリスクもあるので、個人的には「職務要約はいらない」と思っています。
とは言え、時代の流れには逆らえないので、職務要約は書いた方がいいです。
で、肝心の書き方ですが「興味をひく」事に特化します。
有名な企業で働いていたのであれば社名を書いて、面白い仕事をしていたのであればその仕事を書いて、すごい実績があるのであれば数値を盛り込んで書き、引きこもりをしていた経験があるのであれば引きこもりから社会復帰した場面を中心に書いて、とにかく人事担当者の「お?」と興味をひく事だけに集中します。
たまに「事実だけを書くように」と解説している転職情報サイトがありますが、そんな綺麗事をきいてはダメです。
あれは超一流企業で、超一流の実績を残してきたひとにだけ通用する机上の空論です。
ふつうのひとが事実を羅列してしまうと、聞いた事がない会社でごくふつうの仕事をしていただけになってしまい、「パッとしないなぁ」と人事担当者にスルーされて終わりです。
もっと創意工夫して面接官の興味をひきつけることで「お、なんか面白そうなひとだぞ」と感じてもらえるんです。
- 【職務要約 例文】
- 早稲田大学を中退しダンスのプロになるも1年で挫折し辞めてしまい、人生をやり直そうと厳しいことで有名だった株式会社光通信の営業職につき売上目標に追われる毎日を3年経験し部下10名の役職まで昇格するも、休みなく1日20時間働く日々を定年まで続けるのは無理とおもい安定体質の専門商社に転職しました。
- ただ、あまりの平和さ、刺激のなさに若かった私はたえられずそこから転職を無闇に繰り返してしまい落ちるところまで落ちました。
- ようやく30歳のときに自分の情けなさに辟易し「立ち直そう!」と決意し入社したシンデレラFCグループにて光通信当時のように日夜問わずがむしゃらに働き、勉強し、積極的に提案を繰り返すことで少しずつ実績を積み上げ、昇格の機会を経て今は人事部マネージャーをつとめています。
※過去の「失敗」を隠すのはもったいないです。映画でも失敗、挫折、敗北はストーリーを盛り上げる重要なシーンです。失敗の事実と、その時の悔しさ、もどかしさを言葉にすることで読む人の感心を引き付けましょう。逆に「成功」は謙虚な言葉もそえて書くことで「鼻につく」ことがないよう注意しましょう。
Step4.「職務経歴」の書き方
職務経歴に書くことは下記のようにシンプルです。
- ・会社名
- ・事業内容
- ・社員数(なくてもOK)
- ・資本金(なくてもOK)
- ・売上高(なくてもOK)
- ・在職期間
- ・職種
- ・仕事内容
- ・ストーリー(映画の予告編)
どんな事業をどれ位の規模でおこなっている会社で、どんな仕事をして、どんな経験をしてきたのか、が伝わればOKです。
社員数、資本金、売上高は書いた方が無難です。
ただ、これは「会社の規模」を表現するだけの情報なので、メインのアナタのストーリーが魅力的であれば書かなくてもOKです。(大きな会社で働いていたんだね!じゃあ採用しよう!とはならないです。)
そして、「ストーリー」を書く前にはおすすめの儀式があります。
あなたが観たことがある映画の「予告編」をYouTubeで5本観てください。
続けて観たことがない映画の予告編も5本観てください。
これで儀式は完了です。
この儀式をすることで、「職務経歴書=映画の予告編」という本質が、あなたの感覚に染み渡ります。
頭で映画の予告を解析しようとしても意味はありません。
「感覚」で本質をつかみとりましょう。
- 【職務経歴 例】
- ▢株式会社黒田電気
- ▢資本金:100億4,500万円
- ▢売上高:683億4,600万円
- ▢事業内容:電子部品系 専門商社
- ▢在職期間:2010年6月~2010年12月(7ヶ月)
- ▢職種:営業職
- ▢仕事内容:既存取引先のメーカー企業へのルート営業。電子部品等の情報の提供、需要のヒアリングもおこなっていました。
- ▢実績:既存のお客様との取引を継続することに留まり、実績と呼べる程のモノはありません。
- 私自身が文系の為、電子部品に関するお客様との会話の9割は「さっぱりわからない」状態からスタートしました。先輩に「勉強の仕方」「読むべき本」を教わり勉強し、お客様との会話のなかで意味がわからなかった言葉は片っ端からメモをし後で調べ、関連する情報をお客様にメールでお送りし「新しい担当は知識も経験も足りないけど、アフタフォローは必死にやっているな」という最低限のラインはクリア出来るようにつとめていました。(担当顧客の売上額は横ばいでした。)
- 尚、わずか7ヶ月で退職してしまった理由は、当時の私が年功序列による安定感のある社風を「刺激がない」「もっとガツガツしたい」と物足りなく感じた為です。
- ※たいした実績がない場合でも「話を盛る」のは絶対にNGです。面接官は多くの求職者を見ているので嘘はバレますし、あなたの事を「嘘つき」として不採用にします。
- かと言って「特に実績はありません」と書くだけでは「僕は無能です。不採用にしてください。」と言っているようなものです。
- 実績はなくても、あなたには素晴らしいストーリーがあります。
- どん底の状態でも、必死にくらいついて奮闘しているあなたの姿が見えれば、面接官は「有能かはわからないがやるべき事は全力でやるひと」と評価します。
Step5.「活かせる経験・知識・技術」の書き方
専門職種であればそのスキル・経験を、同業界同業種であれば自信のあることを、書けばOKです。
ただ、それ以外の場合は、うかつにテキトーに書くと「え?」と面接官が悪い意味でひっかかります。
たとえば「コンビニでの接客経験を活かせるとおもいます」と「高級ホテルのスタッフ求人」に申し込む際に書けば「いやいや、お客様がサービスに期待するものは大きく違うんだけどな。うちの仕事を理解出来ていないのかな。」と困惑させてしまいます。
たしかにどちらも接客ではありますが、中身はそれぞれ異なります。
高級ホテルで働いていたスタッフが、コンビニのスタッフになって経験を活かせるとは限りません。
ここの違いをすっ飛ばして大ざっぱに「経験を活かせる」と書くのは危険です。
こういう時は「お客様が考えていること、ご希望されていること、を常に考え行動してきた経験は活かせるとおもいます。」と書くのがおすすめです。
これであれば面接官は「うちのお客様のことも大切にしてくれそうだ」とニコリと笑顔になります。
Step6.「自己PR」の書き方
日本人はもともと自己PRが苦手です。
苦手で慣れていないので、職務経歴書の自己PR欄は謙虚すぎたり、逆にアピールしすぎたり。
しかも、日本人の傾向として「自信満々なひと」を嫌います。
なので、この「自己PR」というのはとても難しいです。
だから、自己PRするのはやめましょう。
自己PRなんてしなくていいです。
代わりに「メッセージ」を書きましょう。
面接官はたくさんのひとの履歴書・職務経歴書をずっと読んでいて疲れています。
堅い話ばかりですし、漢字も多いですし、良い人材を見落とさないよう集中していて、バテバテです。
なので、職務経歴書の最後のパートである「自己PR欄」は、「人間的なアプローチ」をしましょう。
最後まで読んでくださった事へのお礼、御社にすごく強い関心をもっていること、あなたと面接で会いたいと思っていること、未熟な点もあるけれど努力を重ねる覚悟があること、を書きましょう。
他の応募者が慣れない自己PRをして面接官を苦しませているなかで、あなただけは「ひと」としてのメッセージを丁寧に思いやりをもって書けば、面接官の心に届きます。
経歴や能力は変わらないですが、「印象」は大きく変わります。
あなたが「いい会社」で働きたいように、面接官も「いいひと」に入社して欲しいと思っています。
であれば、最後にPRするべきは「あなたの魅力的な人間性」です。
まとめ
Step6までご覧いただきありがとうございます。
職務経歴書を書くのが苦手なひとは「まじめなひと」が多いです。
まじめだからこそ「堅く」「むずかしく」考えてしまい「職務経歴書とはこうあるべき」というイメージにとらわれ、魅力のない職務経歴書を作ってしまいます。
肩の力を抜きましょう。
今回の6ステップを踏まえて、あなたの魅力を職務経歴書に込めましょう。
魅力なんてないよ、自信ないよ、というひとも大丈夫です。
あなたの短所も失敗もコンプレックスも、魅力的なストーリーです。
自信満々の成功家のストーリーなんて誰も興味ありません。
6ステップを利用して、より良い転職を叶えることを心より願っています!!
※転職活動ガイド※