風俗業界におけるコンプライアンス経営の取り組み

コンプライアンスという言葉をよく耳にします。

例えば、テレビ局が番組でヤラセをおこなったり、企業がセクハラやパワハラをしたりといった事例は後を絶ちませんが、こうした不祥事が起きるたびにコンプライアンス問題が取り沙汰されます。

コンプライアンスは「法令遵守」と直訳されますが、近頃では就業規則企業論理、社会規範といった内容も含めたものとして解釈されているようです。

近年、風俗業界も健全な運営を目指して、コンプライアンスと積極的に取り組むところが増えてきました。今回のコラムでは風俗業界におけるコンプライアンス推進活動の事例をご紹介していきます。

 

風俗業界のコンプライアンス事始め

風俗業界は長い間、ブラックの代名詞のように思われてきました。事実、昔は残念ながらそのような事例も少なからずあったようですが、風俗業界に興味がある方なら最近はその風潮が影を潜めていることはお気づきですよね。

一般的に、日本においてコンプライアンス経営の取り組みが始まったのは1996年(平成8年)だと言われています。その前年から相次いでいた金融、商社などの不祥事に対処するため、年末の経済団体連合会で経団連企業行動憲章が改定されたのがきっかけでした。

平成8年と言えば、日本の風俗業界はデリヘル夜明け前。店舗型風俗店が飽和状態となり、この2年後の平成10年に風営法改正により無店舗型性風俗特殊営業(デリバリーヘルス)が登場しますが、当時の風俗業界はまだ混沌とした状態にありました。

デリヘルは実店舗が必要なく、比較的簡単に開業できることから脱サラ組なども風俗業界に参入するようになりましたが、それ以前の風俗には一般人には足を踏み込みづらい特殊な世界といった印象もありました。

そうした悪しき風習から脱却し「風俗業界の常識は社会の非常識」といった状況を改めるべく、大手グループなどが積極的にけん引して業界の健全化を推し進めてきたのです。今、私たちが安心して風俗で遊べるのは、そうした努力の賜物だと言っていいでしょう。

 

 

風俗業界におけるコンプライアンスの取り組み

風俗業界におけるコンプライアンス経営の取り組みは、一般的な企業と何ら変わるところはありません。具体的には下記のようなものがあります。

 

・お客様第一
お客様を第一に、公正な競争原理に基づいた適正サービスを提供する。

・職場環境
店舗スタッフや女性コンパニオンの人権尊重、個人情報管理の徹底。

・知的財産
コンパニオンやスタッフの肖像権や著作権を保護する。

・行政対応
法令や条例を尊守し、行政との公正な関係を保つ。

・財務処理
適切な会計処理、適正な税務処理を行い、社会に貢献する

・社会的責任
あらゆる違法行為や反社会的行為を排除し、健全な経営に努める。

 

昨今、芸人の闇営業問題を皮切りに反社会的勢力(以下、反社)が盛んにクローズアップされています。風俗業界はそのビジネスの特徴から反社に狙われやすく、風俗営業と反社がイコールであるといった誤ったイメージも持たれてきました。

これら反社と関わることはお客さまからの信用を失い、風俗業界全体のイメージを下げることに繋がってしまいます。社会的にこうした反社=反社会的勢力の排除が進む中、風俗業界もそれに準じて断固たる対応に取り組んでいます。

 

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大手風俗グループのコンプライアンス対応事例

風俗業界でも、大手グループでは比較的早くからこうした取り組みが行われてきました。

シンデレラFCグループも業界の一端を担う大手グループとして、業界の健全化に責任感をもって取り組んできました。

当グループは法令や社会良識はもとより、その背後にある社会的要請に応えていくことが重要と考えています。この考えは2011年にハーバード大学教授マイケル・E・ポーター氏らによって提唱された「CSV」(Creating Shared Value=共通価値の創造)という概念を土台にしています。

CSVとは社会的問題の解決と企業の競争力向上を同時に実現する取り組みです。具体的には、地域社会の一員として社会問題を解決すると同時に、社員の生活を守るための利益を確保すること――それがシンデレラFCグループの考えるCSVです。

当グループのCSVは、社会的貢献に終始しがちだった従来のコンプライアンス経営の枠組みを超え、風俗業界のイメージアップにも大いに貢献しています。

参考:コンプライアンス経営

 

 

風俗業界とコンプライアンスのまとめ

いかがですか。ブラックと思われがちな風俗業界ですが、そのイメージを払拭するためにさまざまな取り組みを行っていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

とは言え、まだまだ十分に成果を上げているとは言い切れないのも事実です。

風俗業界が真に社会から必要とされる存在となっていくためにも、私たち業界関係者はこれからもコンプライアンス経営に真剣に向き合っていかなくてはならないと考えています。

 

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希有 仁(きゆうじん)

「善きスタッフの元に善きキャストが集う」をモットーに、風俗業界の“中の人”に寄り添える男性求人を目指して奮闘中。自らの経験が少しでも役に立てば……と苦手な文章と格闘しながら、風俗系ビジネスコラムを日々書きまくっています。


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