風俗店で女性内勤スタッフとして働くことをお考えの女性は「女性スタッフの仕事てなにをするの?」と気になるとおもいます。
今回は、そんな疑問にこたえるべく、女性スタッフの仕事のなかでも特に重要な「サービス教育=実技講習」について、シンデレラFCグループの佐山さん(男性内勤スタッフ)、福田さん(女性内勤スタッフ)にその仕事内容について聞いてみました。
風俗の高品質なサービスとは何か?
――風俗店の実技講習員であるお二方にとって高品質な風俗サービスとは何ですか?
佐山:「お客様が非日常的な体験、感動、背徳感を共有出来るかどうかが重要です。コース時間という制約がある中でいかにお客様に心身とも満足して帰って頂けるかどうかに尽きます。目に見えないモノに支払う対価がそれ相応かそれ以上かどうかが大切だと思います。」
福田:「風俗という決して安くないお買い物(プレイ料金)に対して、料金に見合った商品(女の子)を提供することと感じております。(お客様との密着度や女性の服装等コンセプトに合った女性の提供)」
――その風俗の満足度を上げるため、女の子に必要なものは?
佐山:「きめ細かい気遣い心遣い。お客様に心から寄り添えるかどうかです。細かい事を言えば、話し方や所作はもちろん、お客様が望むことに従順に従えるかが重要かと思います。※但し本番や違法行為は論外です。」
福田:「お客様をいかに本当の恋人として接することができるか。と感じております。」
実技講習の実際
――講習方法は選べるのですか?(DVD、紙のマニュアルなど)
佐山:「講習方法はデリヘル、ホテヘル、箱ヘルスなど店によって異なります。風俗経験無し→通常講習(経験者であっても3ヶ月未満の場合は行います)風俗経験あり→口頭講習(経験者でも本人の希望があれば行います)」
――講習を行う場所は?
福田:「主に近隣のホテルかレンタルルームになります。また、女性寮・待機室など、講習内容に応じて場所を変える場合もありあります。」
――講習時間はどのくらいですか?
福田:「実技講習の場合は最低でも2時間はかけております。口頭講習の場合は1時間ほどです。」
――具体的にどのようなことを教えるのですか?
佐山:「流れは以下の通りです。」
(1)デリヘル、ホテヘルの違い説明
(2)お仕事バック(ローション、グリンス、うがい薬、etc)の説明
(3)タイマー設定の説明
(4)インコール説明
(5)ホテル入室説明(受付→玄関→挨拶→各種準備)
→イメクラの場合には別途コースごとの手順説明
(6)お客様との会話について(印象を良くする為に、コミュニケーションの取り方)
(7)洋服の脱がし方、脱ぎ方
(8)シャワー、洗体説明
(9)プレイ内容の確認(基本プレイはほぼ全て確認します。)
→クンニや69、指入れやAFなど女の子に負担があるものは基本的にしません。
→体臭の確認は必ずします。
(10)本強の交わし方、盗撮の注意喚起、トラブルの場合には
(11)本指名を戻すためのテクニックやコツ、アドバイス
(12)名刺について、写メ日記のお礼について
(13)アウトコールの説明
(14)次回へつなぐ為のアプローチ
(15)講習のまとめ(素股や自信の弱い所についてはブラッシュアップ)
福田:「それに加えコンセプト店では、恋人プレイ・痴漢、夜這いの反応方法なども教えます」
――実際にプレイ(フェラや素股など)を行い、上手なやり方やコツを細かく教えるのですか?
佐山:「フェラはテクニックに個人差がある為、確認の意味も含め必ずチェックします。素人店であれば技術が無くても素人感が出ますが、人妻店はそれが許されないからです。ただ単に咥えるだけでなく、舐める、舌でなぞる、唇で挟む、などバリエーションを付けることを教えます。
また、密着や全身リップが手抜きになれば、それだけで満足度は下がります。全身リップは普段の性生活では行わない方がほとんどかと思いますので、しっかり教えます。※実は経験者の方ほど出来てない人が多い気がします。」
福田:「ディルドを2つ用意し一緒に素股の動きやフェラを行っております」
――講習員は実際の客のように攻めるのですか?(受け身の講習)
佐山:「基本的に攻める事はありません。M寄りな女の子であっても、攻める事に慣れさせます。M気が強い女の子については奉仕系のMになりきる事を勧めてます。また、激しい指入れの対処法や、攻められ続けてイヤにならないように、攻守交代のタイミングなども教えてます。」
福田:「講習員をお客様に例えて行うのは洗体のみです。素股の場合は枕に跨って行っております。講習で攻めは一切ありません。」
――全裸になりますか?
佐山:「講習中は全裸になります。これは男女ともです。」
福田:「女の子のムダ毛ケア状況や体臭チェックも兼ねておりますしボディータッチの強さは肌に触れないと教えられない部分ですので必ず全裸になります。」
――その他気をつけていることは?
佐山:「最近は性病に罹患する子も多いので、こういった場合は性病の可能性がある。また、感染リスクを下げるプレイスタイルも説明してます。」
福田:「玩具を使った事ない女の子は1人にして実際に玩具を使ってもらっております。その後痛くされた時の交わし方を教えております。」
――基本サービスなのに、やる女性とやらない女性がいるのはなぜか?(例えば全身リップをする人しない人)
佐山:「一概には言えませんが、講習で流れをしっかり教えてればサボる事は無いと思います。あるとすれば、徐々に仕事に慣れ本指名でなぁなぁなサービスになったりする場合です(あってはならない事ですが)。講習で「それを行う意味」をしっかり理解している子は手を抜かないと思います。私の場合は気分を高揚させたり、エッチな気持ちスイッチに入れる為と説明してます。」
福田:「完全業界未経験の場合、覚える事も多く基本サービスであっても全て覚えることは無理だと感じております。そのためにコールバックがあり、女の子が出来なかったことを再度教え、徐々にできてくるものと思っております。」
――講習しなければ習得できない風俗の技術とは?
佐山:「技術的には→素股、パイズリ、全身リップ。その他はお客様に刺さる言葉や仕草、次回の約束を自然に取り付ける方法など」
福田:「素股時の挿入防御方法は実際に行わないと難しいと思います。なぜならば、どの角度が入りやすく、どの様に防ぐは口頭ではイメージが出来ないと感じております。」
――講習員の性癖や経験により、指導内容が偏ったりしないか?
佐山:「正直あると思います。私は巨入専門店を担当したこと無いのでわからないですが、おっぱい専門店は素股よりパイズリに重きを置くのではないでしょうか?(推測です)また、そもそも素股で気持ちよくない方は素股の良さが分からなかったり、講習員の経験値にも左右される様な気がします。」
福田:「女の子の特性により講習で重点は変わってきますが、あくまでもその子の良いところを見つけ伸ばして上げることが大切だと思っております。」
――講習員によって講習の質にばらつきは出ないか? また、そうならないように何か工夫をしているか?(講習マニュアルなど)
佐山:「シンデレラグループでは、講習員になる為には最低でも副主任補以上であることが必要で、また規定以上の風俗店を利用しそのレポート提出が義務付けられております。また、普段の素行も加味されます。そういったことからも講習員のレベルの差はないと感じております。講習はある程度指導出来る人でないと任せられない重要な仕事なのです。」
福田:「それに加え女性講習員は必ずマネージャー以上の講習説明を受講する必要があります。エリアでのばらつきは無いと思っております。」
――講習員同士で情報の共有はしているのか?
佐山:「同店舗内の講習員はもちろん技術的な面や、指導方法は情報共有をします。他店舗間では情報共有行うことは稀だと思います。今後は講習員はなんらかのマイスター制度が必要かもしれませんね。」
福田:「講習の度に報告を上げております。また自分自身の対応以外にもないか再度確認をして講習内容も新しいことをどんどん取り入れるようにしております。」
講習と女の子
――面接で採用されたが講習時に基準を満たせない女の子の場合は?
福田:「満たせない要素にもよりますが、採用されている以上稼がせてあげる技術を教えるのが講習の目的だと感じております。その場で不採用にすることは無いのですがあまりやる気が無いと『そのプレイではお客様をつけることは出来ないと』厳し目に言うことはあります。不採用にはしません。」
佐山:「基準に満たない場合とは
(1)性病の疑いがある場合
(2)体臭や目に見える欠損などがある場合
(3)過度な入墨(七分袖や背中一面)
(4)プレイへの拒否感、やる気の無さ
その他にも言葉遣いや、お客様の前に出せない様な方は断ります。
講習時に不安が残る場合は体験後に再講習をしたり、口頭講習を行います。大切なのは性格だったり、しっかりお客と話せるかが基準です。」
――講習員の性別によって女の子の仕上がりに違いは出るか?
福田:「講習の方法につきましては男女での差はあります。例えば男性講習員の場合、気持ち良い動き方を教えることは出来ても、経験としての防御策はわかりません。定期的に男性講習員と女性講習員とで意見交換をし良いところはお互いに取り入れるようにしています。」
佐山:「指導内容に違いはありませんが、比較的女性が講習を行った場合は技術的な部分が成長し、男性が講習した場合はトークや内面的な部分が成長すると感じました。ただ、どちらも帯に短しタスキに長しで良い部分もあれば、悪い部分ありますので、バランスよく講習行う方が良いかと思います。例:未経験は女性講習員 経験者は男性講習員」
――講習によって、その女の子に向き不向きなサービスを見分けることはできるか?
佐山:「出来ます。密着が苦手、イチャイチャ出来ない、攻めが苦手などは講習中に分かります。」
福田:「出来ます。お手本を見せた後、必ず同じことをしてもらっていますが、苦手なプレイは恥ずかしがり一度渋る姿を見せる女性は苦手と判断しております。自信を持って披露してくれるプレイは得意なのだと思います。」
――講習の段階でその女の子が稼げるかどうか見分けることはできますか?
福田:「何も疑問点がない女性は向上心が無いと判断し学べずに稼げない子と感じております。実際にお仕事をしないと疑問点すら分からない…という気持ちも分かりますが、復習の意味でもこの時どうしましたっけ? と聞かない女性は流れプレイをさせてもほとんど頭に入っていないことが多いです。」
佐山:「私の場合は面接でヒアリング取っている時に分かります。講習で売れるなと判断するのはスタイルとか積極性でしょうか?」
――実際に教えたことを実践しているか確認はしていますか? またその方法は?
福田:「私の場合は他店舗でも講習をすることがありますので、その場合はそこの店舗スタッフを通して情報を聞いております。また自店舗の場合は女の子からお仕事後にお話を聞くのとお客様から女の子のプレイについてコールバックを行っております。」
佐山:「デリならば移動中の車内でヒアリング取ったりしてます。精算の時にもお客様のヒアリングしているので、困った事や悩んだ事を聞いてます。」
――再講習とはどのようなことを教えるのですか?
佐山:「本人から申告があった苦手な部分のブラッシュアップやサービスチェックで指摘のあった箇所を講習しますが、そもそも再講習が必要な場合には辞めても良いぐらい厳しく教育します。本指名が戻らない理由を突き詰めて本人と一緒に確認して行きます。」
福田:「1.お客様からクレームが出たこと 2.女の子自身が接客で困っていること 3.その他方針が変わったことについて教えております。」
――経験者は講習を免除する場合があるようですが、高品質のサービスを提供する上で最低限レベルの確認は必要ではありませんか?
佐山:「もちろん経験者全員を免除している訳ではなく、人を見て判断してます。また、もし経験者の方で講習拒否した場合は1ヶ月間お仕事して頂きその結果再講習ある旨説明しております。ちなみに、講習拒否する人の大半は本指名が戻ってこない傾向にあります。」
福田:「その女性を理解した上で、エリアマネージャー、お店の店長の指示によりどのような講習が必要なのか判断を仰いだ上でそれに基づいた講習を行っております。」
――講習に向き不向きなスタッフのタイプはありますか?
佐山:「女性と話すのが苦手、根気強く教育が出来ない、せっかち、相手の話を聞かない、そもそも風俗で遊ばない。以上のようなタイプは実技講習員には向いていないと思われます」
福田:「女の子を「物」としてみたりプレイで気持ちよさだけを教えるスタッフは向いていないと思います。講習で大切なのは【自分の身は自分で守る術】を教えるべきだと思います。」
――「趣味講習」や「本番講習」といったことは本当にあるのですか? またそのような事がないように対策していることはありますか?
佐山:「他グループから移籍してきた女の子の話を聞く限りは本番講習は6割。(あくまで肌感です)これは風俗の地域によってもバラつきがあるようです。
本番講習すれば噂も回りますし、女の子も辞めたりとデメリットしか無いのでシンデレラグループで趣味講習や本番講習をやる人はまず居ないと思います。
そもそもシンデレラグループでは経験者・未経験者の括りがあり、体入準備を待つ周りのスタッフも居るのでそんな余裕は無いと思われます。」
福田:「シンデレラグループで本番講習があった話は聞いた事がありません。皆、女の子に稼いでもらいたく必死にお仕事として講習に取り組んでおります。」
――グループ全体で講習内容をマニュアル化し、どの店でもある一定レベルのサービスを受けられるようになることは可能ですか?
佐山:「講習内容のマニュアル化は必要だと思っています。全ての店舗で講習担当者が同じレベルのサービスを教育するためにはマニュアル化が一番です。但し、全店で同じ様なサービスを提供するとお客様が飽きる可能性があり、現実的にはブランド毎に分けてマニュアル化した方が良いのではないかと思います。」
福田:「もちろん可能でございます。現在講習方法につきましては講習員全員がエリアマネージャー指導の元、同じ内容の講習を行っております。女の子により実力は様々ですがランカーである子たちは一定レベルであると思います。」
――素人コンセプトのお店で技術はどの程度必要なのですか?
福田:「最初出来ないことがあっても女の子が成長する姿をお客様は楽しみにしている場合があります。講習では出来なくても実際の接客で技術は身に付きますので、それでいい場合もあります。それでも身につかない女の子は、本指名が獲得できず残念ながら退店していきます(稼げなくなるので当然ですが)
ヌキに来られているお客様がほとんどですので技術は必須ですが、どんなに頑張っても射精が出来ない場合もあります。それはエロさ・テクニックに関係せず、タイミングやお客様の体調などにもよります。大切なのはいかに一生懸命プレイを行うか。発射できなかった時に落ち込み過ぎず、且つ明るくなりすぎずお客様に謝罪ができるか。発射出来なくても気持ちよさでリピートして頂くことも可能です。テクニックと言っても色々あるので、話術なども重要な技術になるかと思おいます。」
佐山:「最低限の技術は必要かと思います。ただ、完全業界未経験、素人、経験極小と謳っていてバリバリプレイこなしていたらお客様は少し引きます(笑)その匙加減は難しいところですね。
その技術が行き過ぎてなければOKだと思います。また、お客様の全てが射精する事を目的としていません。お話にだけ来ているお客様や抜かずに攻める事が好きという方もいるので、素人で技術レベルが低い子にも需要はあるような気がします。」
インタビューを終えて
「風俗てエッチなことすればいいだけでしょ?」
世間からの風俗の仕事に対するイメージはこんなものだと思います。
ただ、実際に現場でお仕事をしている皆さんのインタビューから見えてきたのは「風俗というものの奥深さ」でした。
お客様より対価をもらい提供するサービスとして、多くの競合店との競争に打ち勝つため、真剣に本気で向き合っている姿は実に美しく、格好良いものでした。
これから女性内勤スタッフとしてお仕事をしようとお考えの皆さんのご活躍を心より楽しみにしています。
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