彼女の嘘にブランドの終わりを知り…

うーん、ドコモのiPhoneです…

まだそれほどスマートフォンが普及していなかった頃の話。面接に来てくれた或る女の子がスマートフォンを持っていたので「それは何ですか?」と訊いてみたところ少し考えてそんな答えが返ってきました。彼女が持っていたのはドコモ社のAndroid端末、機種は多分Galaxyです。

彼女がなぜそんな「嘘」をついたのか私なりに考えてみました。

1.彼女はそれを本当にiPhoneだと思い込んでいる。

2.android端末を使っていると知られるのが恥ずかしくて、場合によってはそれを理由に不採用となることを恐れたから。

3.私のような中年男性に具体的な製品名を伝えても意味が伝わらないと考えて私にも理解できるであろう表現を用いて説明した。

4.”iPhone”はもはやスマートフォンを意味する一般名詞化している(ウォークマンや宅急便と同じ)。

彼女の真意は多分3と4の中間ぐらいにあったのでしょう。つまり、私の問いに対して「これは”iPhoneのようなもの”です」とそう言いたかったのではないか、と。

注目すべきは彼女の回答の中に「ドコモの」とキャリア名が含まれていること。今は多少事情が変わっていますが、日本では通信キャリアそのものがブランド価値を持っています。ガラケー全盛期に「それどこの携帯?」と女の子に訊くと「ドコモの」と答える娘はいても「シャープの」と答える娘はいませんでした。

そして通信キャリアがブランド化するというそんな歪な状況を一変させたのがiPhoneであるのはもはや周知の事実、android端末を持つ女の子に「それは何ですか?」と訊くと相変わらず「ドコモのスマホです」と答えますが、iPhoneを持っている女の子は決して「ソフトバンクのスマホです」とは答えません。正しく「iPhoneです」と答えます。

さて、これは20年来のアップルユーザーである品川ラズベリー店舗責任者によるアップル社及びiPhoneの礼賛記事ではありません。その趣旨は「ブランドの逆転」にあります。

職業を問われたら「フ、フーゾクの店員です…」と答えるのではなく「シンデレラFCグループのスタッフです」と胸を張って答える、つまり、そういうことです。否、勿論それが現状正しい回答だと言うつもりはありません。しかし、それに最も近い場所にあるのがシンデレラFCグループであるのは間違いありません。圧倒的と思われていた通信キャリアのブランドが一夜にして転倒する時代です、価値の本質を正しい場所に戻すのはそんなに難しいことではありません。

その土台はもう既にできています。あとはこれをご覧の皆様方次第であると信じています。

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