こんにちは、企画室の横尾です。
最初に出版業界に足を踏み入れてから、すでに16年以上の月日が経っているということに気付いて少しばかり愕然としました。どこまでクリエイティブな仕事をしてきたかというのはともかくとして、一応クリエイター17年生です。文字にすると、急におっさんになった気分です。いや、すでに年齢はかなりのおっさんなのですが……。
そのあいだ、雑誌の創刊というものに3回ほど立ち会ったことがありますが、生みの苦しみっていうものはやはりあるんです。何もないまっさらな状態から始めるわけですから。それだけに創刊号が刷り上がり、印刷所から届いたときの達成感というものはやはり格別でした。なんていうか、愛おしいんです。うれしくなって、雑誌の奥付に書いてある自分の名前を何度も確認したこともあります。
こんなこともありました。
創刊号発売日の朝、会社に出勤する途中、電車で前に座っていた人がどこかで見たことのある雑誌を読んでいるんです。驚くべきことにそれはなんと、1ヶ月半のあいだ1日も休まず、会社に何泊もし、死にそうになりながら作りあげた創刊号でした。そんな汗と涙の結晶を、記念すべき発売日に僕の目の前で読んでる人がいるんです!
偶然にしてはあまりにもできすぎている偶然なので、会社に行ってから編集長や他の編集部のスタッフに話しても、まったく信じてもらえませんでした。
そんなうれしい偶然や、アンケートはがきによる読者からの反応。そういったものが、クリエイターとしての自分を支えてくれていたのかなと思っています。
一方、現在当社で作成しているサイトというのは、ユーザーからの反応というものがなかなかわかりません。店舗の売り上げに伸びが見られたとしても、女の子がよかったのか、店舗スタッフの地道な努力があったからなのか、サイトがよかったのか……。
店舗サイトの場合は、やはり現場スタッフの頑張りが大きいので、なかなか「サイトのおかげ」という結論に達することはありませんが。
さらに、使いやすければいいのか、見やすければいいのか、情報が充実していたほうがいいのか、あるいはバランスなのか……。その基準というのも、各々の主観があるので導き出すのはなかなか難しいのです。
アクセス解析からユーザーの動向を分析し、「おそらくこうであろう」という判断をすることが多いのですが、これが難しい。極端に言ってしまえばユーザーひとりひとりに対する答えが違うわけですから。
さすがにそれぞれユーザーに対してひとつひとつ別のサイトを作ることはできませんので、ベストと思われる答えをひとつだけチョイスするわけです。でも、たとえそのなかからベストを導き出せたとしても、今日のベストは明日のベストとは限りません。
また、一度方向性を誤ってしまったらその後の軌道修正が困難なので、ある程度慎重になる必要があります。誤っていることに気付けたらまだラッキーなほうで、もしかしたらそれにすら気付けないこともあるかもしれません。極力、そうなることは避けたいところです。
とかなんとか考えながら、日々過ごしています。
これはまたこれで、クリエイター冥利に尽きる部分です。空振りばっかりじゃきついですが、ジャストミートしたときにはそれまでの努力が報われた気持ちでいっぱいになります。あわよくば、全打席バックスクリーンにぶち込みたいところです。
あなたも、ホームランを目指して一緒に頑張ってみませんか?
「今日のベスト」を探し求めて