かもめは飛びながら歌を覚え、人生は遊びながら年老いて往く…。
人間は「遊び」の中にもう一つのの人生を発見する、生前そんなことを考えていたのは寺山修司です。
「風俗遊び」というのはまさにそのような場面と言えるのかも知れません。見ず知らずの女性との疑似体験の中に失われた人生の何かを発見する、単なる「快楽の交歓」の場ではないのです。
それは、サービスを提供する女性の側も同じ、勿論、皆然るべき目的を持ってこの仕事に従事していますが、決してそればかりでないのは、彼女らとよく話をすれば容易に知れることです。
何度目かの寄稿となります、品川ラズベリーで責任者を勤めさせていただいている者です。
お客様方に「遊び」を介して「もう一つの人生」を提供するこの業界、では、それに従事する我々男子スタッフはどうなのでしょう?
勿論これは「遊び」ではありませんし、「遊び」の感覚で勤まる業務ではありません。
ただ、「もう一つの人生」を発見するという意味に於いては、寺山の言う「遊び」に似た部分もあるのかも知れません。
この業界は異業種から転職してくる方が非常に多い業界です。
事情は皆それぞれなのだと思うのですが、その内容が多岐にわたるこの業務に於いて、スタッフそれぞれがこれまでに歩んできた人生、培われてきた背景が何となく垣間見えてくる瞬間があるのが面白いところです。
女の子との些細なやり取り、お客様への対応、あるいは備品の揃え方一つにすらその人がこれまで歩んできた人生の何かが見えてくるのです。もちろん、それをただ面白がって観察しているばかりではありません。そうやって発見された個々人の特性をこの業務に如何に活かし、また足りない部分をどう補っていくのか、それが人材を育成する立場にある人間の職責です。
余談ですが、私自身もやはり異業種からの転職組、もっとも、私の場合はギターを弾いてみたりおカネにもならない文章を書いてみたりと、そんな気ままな生活の果てにこの場所に辿り着いた感じです。そんな私の「足跡」が何かに生かされているのかどうかは、これをご覧いただいている方の判断にお任せいたします。
閑話休題。これをご覧いただいている方の多くも、やはり第二、第三の人生の場面を求めていらっしゃるのではないでしょうか?
これまでの人生で培ってきた何かを決して無駄にすることなく、そして、新たな経験の中でもう一つの人生を探っていく、ここはそんな場所、寺山の言う疑似体験としての「遊び」を現実の職務の中で体現し得る場所なのです。
それは私自身が実感していること、自分自身の中に日々新しい何かを発見していく経験は、決してラクではないこの業務をとても豊かで充実したものに変えてくれます。簡単に言えば、それがまるで「遊び」であるかのように、毎日が愉しくて仕方がないということです。
シンデレラグループは皆様方に新たな人生の場面と充実した日々をお約束いたします。私のこの文章が、いまだ迷いを吹っ切れていない誰かへのささやかな手助けとなれればまた幸いです。