風俗業界のスタッフの求人は「風俗男性求人」と呼ばれます。
「風俗スタッフ求人」とたまに呼ばれることもありますが極めて稀で、圧倒的にメジャーな呼び方は「風俗男性求人」です。
実際、主な「風俗スタッフの求人サイト」のタイトルタグにも必ずすべて「男性」の文字が入っています。(下記参照)
■高収入!男性求人情報「野郎WORK(ヤローワーク)」
■風俗男性求人!高収入の正社員・バイトならFENIX JOB
■男性高収入求人・アルバイト探しは【ジョブヘブン】
■風俗男性求人・バイト探しは【メンズバニラ】
■高収入男性求人【俺の風】稼げる仕事情報サイト
ただ、各求人サイトの中を見ていくと「女性スタッフ」も募集しており、決して「男性専用の求人サイト」ではないんです。
女性も募集しているのに「男性」しか募集していないように見えるのは変です。
まるで「ラーメン専門店」と看板に書いてあるのに実際は「うどん」「そば」もあるようなちぐはぐさです。
このちぐはぐさの理由は「歴史的背景」と「SEO」にあります。
この2つの理由について詳しく解説してまいります。
◯歴史的背景
風俗店の店員は現在は女性も増えてきていますが、従来は「男性」でした。
風俗店でスタッフとして働くのは男性であり、女性はキャスト・コンパニオン・風俗嬢などの役割を担ってきました。
なので自ずとスタッフ=男性という構図が歴史の積み重ねのなかで出来上がりました。
尚、古くは吉原遊郭などでは「女将さん」という女性スタッフ(?)もいましたが、多くの場合は経営者やオーナーの奥さん・愛人という立場であり、スタッフとしての求人で集まった人材ではなく、情や縁をもとに抜擢された例外的なものでした。
そういった歴史的背景がある為、風俗店の店員を募集することは「風俗男性求人」という呼び方が定着しています。
◯SEOと経済合理性
風俗のスタッフのお仕事を探すとき、皆さんはどのように探しますか?
ためしにGoogleで「風俗 求人」とか「風俗 求人情報」と検索してみると「女性キャストの求人募集サイト」がズラッと表示されます。
スタッフ求人系のサイトは、ようやく3ページ目に男ワークやFENIX JOBが出てくる程度です。
では、「風俗 男性 求人」と検索すると、上記した野郎ワーク、俺の風、フェニックスジョブ、ジョブヘブン、メンズバニラ、スタイルグループ、そしてシンデレラFCグループの「幹部ナビ」が表示されます。
つまり、「風俗求人」の言葉の意味は「風俗のキャストの求人」であり、スタッフの求人ではないんです。
でも、これっておかしいですよね?
携帯ショップの店員の求人を探すとき「携帯ショップ 求人」て検索しますよね?
飲食店のスタッフの求人を探すときも「飲食店 求人」で検索しますよね?
わざわざ「男性」という単語を入力しませんよね?
それなのに風俗だけは「男性」と入力しないと、スタッフ・店員の求人が出てこないんです。
事実、一般業界の転職求人サイトのタイトルタグは下記のとおりで「男性」なんてどこにもありません。
■転職ならリクナビNEXT|希望の転職先が見つかる転職サイト
■転職なら【エン転職】| 日本最大級の転職サイト
■転職ならdoda(デューダ) - 転職を成功に導く求人、転職情報が満載の転職サイト
では、風俗だけなぜ「男性」なのでしょうか?
その理由の1つは、先程述べた「歴史的な背景からスタッフは男性という認識があること」にあります。
ただ、最も大きな理由は「スタッフ求人媒体の運営会社の経済合理性」にあります。
風俗店は業態の特性上「女性がいないと商売にならない」ので「女性求人」に最も力をいれており多額の広告費を「女性求人WEB媒体」に投じています。
となれば女性求人WEB媒体の運営会社はうまみの多い女性求人WEB媒体の開発・強化に全力を尽くします。
それに比べると「スタッフ求人」はスタッフを募集していない風俗店もあり、広告掲載の枠数もシンデレラFCグループとして女性求人には40店舗分出稿しますがスタッフ求人はシンデレラFCグループ名義の1つだけといった具合に市場規模が小さく媒体運営会社としてはうまみが少ないので、開発・強化にそこまで力をいれません。
となれば歴史的背景もあいまって「風俗スタッフ求人媒体は今までどおりでいいんじゃない?男女雇用機会均等法はあるけど、まぁ、いいんじゃない?」と、スタッフ求人媒体はやんわりと流されます。
又、うまみが少ないので新規参入はほぼなく、中小のサイトが生まれることはあっても技術力・資金力等の課題もありメジャーなところまでは成長していません。。
ここ10年間で上位に食い込んでこれたのは「フェニックスジョブ」と「俺の風」くらいではないでしょうか?
変化の激しいWEB業界でこれだけ変化がないのは異例です。
ちなみに、シンデレラFCグループの幹部ナビでは数年前に「男性求人と書くのはおかしい!女性スタッフも人材として貴重で有能な方も多いじゃないか!風俗男性求人ではなく風俗スタッフ求人と掲げよう!」という方針に舵をきった事がありますが、そもそも「風俗スタッフ求人」という検索ワードを打つひとが少ないので、この施策は失敗しました。(今は幹部ナビは「風俗男性求人」としています。女性スタッフも募集していますが^^;)
まとめ
◯風俗男性求人は「男性だけ」の求人ではない。(女性スタッフも募集している)
◯男性だけじゃないのに男性求人とされるのは、古くから風俗店の店員は男性だったのでその名残。
◯経済合理性により、昔からの名残は今後もおそらく続いていくし、変えるのはなかなかに難しい。